A-23. どのような一次性頭痛を治療すべきか

頭痛一般

(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)

Pt:頭痛って、どんな程度の痛みでも治療してもらえるのかな?

頭医:うん、たとえひどくなくても、生活に困っていたり、本人がつらいと感じていれば治療の対象になるよ。特に日常生活に影響があるなら、しっかり治療した方がいいんだ。

Pt:じゃあ、片頭痛や緊張型頭痛も治療してもらえるんだね。実際、どれくらいの人が困ってるの?

頭医:日本では、片頭痛は約8%、緊張型頭痛は約22%の人にあるとされているよ。しかも、片頭痛の人の7割以上が、日常生活に支障を感じているんだ。緊張型頭痛でも、慢性的だと4割くらいの人が生活に困っているというデータもあるよ。

Pt:そんなに多いんだ…。どんな治療があるの?

頭医:片頭痛では、痛みの強さに合わせて薬を選ぶ『層別治療』という考え方があるよ。軽いときは市販の頭痛薬でもいいけど、つらい場合は、『トリプタン』という専用の薬を使うんだ。

Pt:トリプタンって、よく使われてるの?

頭医:実は、必要な人でも使っているのは5人に1人くらいなんだ。また、予防の薬を使っている人も1割にも満たないんだよ。

Pt:えっ、そんなに少ないんだ。もっと使えば楽になる人も多そうなのに!

頭医:そのとおり。海外のデータでも、予防薬が必要な人の半分くらいしか実際には使ってないんだ。だから、予防も含めて、トータルで治療を考えることが大切なんだよ。

Pt:市販薬だけでがんばるのはダメなの?

頭医:軽い頭痛にはいいけど、使いすぎると、『薬物乱用頭痛』っていって、かえって悪化することがあるんだ。頻繁に頭痛がある人や、市販薬で効かない人は、病院で相談してね。

Pt:わかった!頭痛をがまんせずに、ちゃんと治療することが大事なんだね。

頭医:そうだよ!自分の頭痛のタイプやつらさを知って、合った治療を受けることが、生活の質を上げるカギになるんだ。

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頭痛の駆け込み寺

頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする

●目的:

頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。

それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。

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※頭痛専門医とは?

日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。

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●島田医師プロフィール

《経歴》

平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員


《学会・専門医》

日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医


▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺

頭痛の駆け込み寺
YouTube企画 頭痛専門医 島田医師による 「頭痛の駆け込み寺」 ●内容: 頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする ●目的: 頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長...

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