(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:頭痛っていろんな種類があるって聞きますけど、どうやって見分けるんですか?
頭医:頭痛を診断するときにとても大事なポイントが2つあるんです。それが、痛みの続く時間(持続時間)と、どのくらいの頻度で起こるか(発作頻度)です。
◆診断のカギは「時間」と「頻度」
Pt:ふむふむ、どれくらい痛いかじゃなくて、どれくらい長く・何回起こるかってことですね?
頭医:その通りです。たとえば、頭痛が4時間以上続く場合、そのうえで1ヶ月のうち半分未満の日しか起こらない場合は、片頭痛か緊張型頭痛の可能性が高いんですよ。
Pt:じゃあ、半分以上の頻度で起こる場合は?
頭医:それは慢性連日性頭痛”に分類されます。つまり、毎月15日以上頭痛が続くような場合ですね。このタイプは、片頭痛や緊張型頭痛が慢性化してしまった状態のことが多いです。
Pt:逆に、4時間も続かないような短い頭痛っていうのもあるんですか?
頭医:ありますよ。その場合は、三叉神経・自律神経性頭痛や、群発頭痛、三叉神経痛などの短時間で激しい頭痛を考えます。こういった頭痛は、痛みの出方や他の症状(涙、鼻水、発作のタイミングなど)も重要になってきます。
◆まとめ:頭痛の分類の早見表
頭痛の特徴 | 持続時間 | 頻度 | 主な分類 |
長時間(4時間以上)・低頻度(月の半分未満) | 〇 | △ | 片頭痛・緊張型頭痛 |
長時間(4時間以上)・高頻度(月の半分以上) | 〇 | 〇 | 慢性連日性頭痛 |
短時間(4時間未満) | × | 問わず | 群発頭痛・三叉神経痛など |
Pt:なるほど、頭痛の“時間”と“回数”を見るだけで、結構診断の方向が決まるんですね!
頭医:そうなんです。もちろん、随伴症状(吐き気、光過敏など)や誘因も合わせて診る必要はありますが、まずはこの時間と頻度”の組み合わせで大きく分類するのが診断の第一歩になります。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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