B-i-7. 前兆(目のキラキラ以外)ってなんですか

片頭痛

(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)

◆感覚の前兆(感覚性前兆)

Pt:光以外にもありますか?

頭医:ありますよ。次に多いのは“感覚の前兆”です。たとえば、手や顔がチクチクするような感覚(陽性症状)や、感覚が鈍くなる感じ(陰性症状)が出ることがあります。これも最初は一部から始まって、だんだん広がるのが特徴です。

◆言葉の前兆(言語性前兆)

Pt:しゃべりにくくなるとかもあるんですか?

頭医:はい。“言語性前兆”では、うまく言葉が出てこなかったり、言葉を間違えてしまうことがあります。これは失語といって脳の言語を司る部分に関係しているんですが、発音の問題(構音障害)と見分けにくいこともあります。

◆動きの前兆(運動性前兆)

Pt:体が動かなくなるって怖いですね。脳の悪い病気が心配ですね。

頭医:運動の前兆は、“片麻痺性片頭痛”という特殊な片頭痛で見られます。手足が力が入らなくなって、だんだん広がっていく脱力感が出るんです。なので脳卒中に間違われることがあります。時には両側の手足に広がることもあって、バランスが取りにくくなることもあります。

◆前兆の組み合わせ

Pt:こういう前兆って、全部いっぺんに出たりするんですか?

頭医:いえ、一度に複数出ることもありますが、多くの場合は“時間差で次々と出てくる”んです。たとえば、最初に視覚症状が出て、その後に感覚の症状が出るという感じですね。そして、前兆が終わるころに片頭痛の痛みが始まることが多いです。

Pt:前兆ってすごくバリエーションがあるんですね。

頭医:そうですね。前兆がある片頭痛の人は、自分の前兆パターンを知っておくと、早めに対処できるのでとても役立ちますよ。

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頭痛の駆け込み寺

頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする

●目的:

頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。

それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。

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※頭痛専門医とは?

日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。

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●島田医師プロフィール

《経歴》

平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員


《学会・専門医》

日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医

▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺

頭痛の駆け込み寺
YouTube企画 頭痛専門医 島田医師による 「頭痛の駆け込み寺」 ●内容: 頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする ●目的: 頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長...

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