(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:実際に片頭痛が起きたときって、どんなふうに痛くなるんですか?
頭医:片頭痛の痛みは、いきなりドーンと来るというより、まず頭に違和感を覚えることが多いんです。その後、軽い痛みから始まって、だんだん中等度~重度の強い痛みに変わっていきます。このピークまでに30分から2時間くらいかかることが多いですね。
Pt:痛みって、どれくらい続くんですか?
頭医:一度始まると、4~72時間も続くことがあります。長い人では3日間近くつらい状態が続くこともあるんですよ。
Pt:痛む場所はどこが多いんですか?
頭医:こめかみや目のまわりなど、頭の片側が多いんですが、実は両側に痛みを感じる人も結構いるんです。痛みの種類としては、“ズキズキ”“ガンガン”“ドクドク”といった脈打つような感じが典型的で、
中には『頭の中に心臓が引っ越してきたみたいだ』と表現する方もいますよ。
Pt:それはかなりつらそうですね……
頭医:はい、痛みがあまりに強くて、仕事や家事が手につかなくなったり、横になりたくなる人が多いです。中には、寝込んで学校や会社を休まざるを得ない人もいます。
Pt:頭痛以外にも何か症状って出るんですか?
頭医:はい、吐き気や嘔吐が出ることもありますし、光や音に敏感になる人が非常に多いです。
たとえば、光がまぶしくてカーテンを閉めたくなる(光過敏)、音が響いてつらい(音過敏)といった感じです。また、匂いにも敏感になる人もいて、普段は気にならない香りで気分が悪くなることもあります。
Pt:まさに五感にダメージって感じですね……
頭医:まさにその通りです。さらに、階段を上るなどのちょっとした体の動きでも、頭痛が悪化するというのが、片頭痛の特徴のひとつなんですよ。
Pt:なるほど…片頭痛って、“ただの頭痛”じゃないんですね。
頭医:ええ、強い痛みと、体や感覚の不快な症状が重なるのが片頭痛なんです。だからこそ、適切な治療や対処がとても大切なんですよ。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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