B-i-11. 診断はどのように行うのか

片頭痛

(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)

Pt:頭痛っていろんな種類があるって聞くけど、どんなふうに診断していくんですか?

頭医:頭痛には一次性頭痛(片頭痛や緊張型頭痛など)と、二次性頭痛(脳出血や感染など他の病気が原因)があって、まず最初に“危険な頭痛(=二次性頭痛)じゃないかどうかをしっかり見極めることが大事なんだ。」

◆ 一次性頭痛の診断には「問診」が命

Pt:じゃあ、片頭痛みたいな一次性頭痛はどうやって調べるの?

頭医:一次性頭痛の診断では、問診が最も重要なんだよ。どんなときに起こるか、痛みの性質、持続時間、他の症状があるか。患者さんの話からかなりの部分を判断できるんだ。

Pt:子どもも同じように聞くんですか?

頭医:子どもはね、自分で症状をうまく説明できないことも多いから注意が必要なんだ。親御さんの情報だけでは偏ることもあるので、子どもの様子や行動をよく観察して判断することが大切だね。

◆ 二次性頭痛が疑われるときは?

Pt:でも、もし怖い病気が隠れていたらどうするんですか?

頭医:重い病気が疑われるときは、問診ばかりに時間をかけずに、すぐに画像検査などを行う判断が必要なんだ。問診と検査のタイミングのバランスが重要になるよ。

◆ 役立つツールいろいろ

Pt:簡単に片頭痛かどうかを調べる方法ってあるんですか?

頭医:あるよ。“片頭痛スクリーナー”という質問票があって、短時間で片頭痛の可能性が高い人を見つけるのに便利なんだ。

Pt:診断がついた後も、何か使えるツールってあるんですか?

頭医:もちろん。“頭痛日記”をつけると、治療の効果がわかりやすくなるし、複数の頭痛(たとえば片頭痛と緊張型頭痛)の混在も見つけやすくなるんだ。さらに、日常生活への影響を評価する “MIDAS” や “HIT-6” という質問票もよく使うよ。

◆ 画像検査の使い分け

Pt:検査って、CTとMRIはどう使い分けるんですか?

頭医:疑われる病気によって、CTとMRIを適切に使い分けるのがポイントだね。たとえば、くも膜下出血ならCTが第一選択だけど、脳腫瘍や下垂体の病気ならMRIが有効なんだ。

Pt:色々考えないといけないんですね。

頭医:そうですね。しっかりとした診断をつけることが最も大切なんだよね。

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頭痛の駆け込み寺

頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする

●目的:

頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。

それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。

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※頭痛専門医とは?

日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。

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●島田医師プロフィール

《経歴》

平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員


《学会・専門医》

日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医

▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺

頭痛の駆け込み寺
YouTube企画 頭痛専門医 島田医師による 「頭痛の駆け込み寺」 ●内容: 頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする ●目的: 頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長...

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