(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
1. どこが痛むの?
Pt:片側に痛いイメージですが、両側もありえるんですね?
頭医:はい。実際には、約60%の方が片側の痛みですが、両側に痛みが出る人も珍しくないんです。痛みは前頭部や側頭部、目の周りに始まり、後頭部や頭頂部まで広がることもあります。
2. どんな痛み?
Pt:「ズキズキする」って、どんな感じですか?
頭医:心臓の鼓動に合わせて痛む感じですね。圧迫されるような感覚や、頭が割れそうな感じがする人もいます。体を動かしたり、咳や階段の上り下りでも痛みが強くなることがありますよ。
3. いつ起こるの?
Pt:片頭痛って、いつ起こりやすいんですか?
頭医:多いのは朝起きたとき、ストレスから解放された週末や休日、それから寝すぎたときですね。
4. どのくらい続くの?
Pt:一度始まると、どのくらい痛みが続くんですか?
頭医:だいたい4〜72時間続きます。多くの方は4〜24時間以内におさまることが多いですが、女性の方が男性より長引きやすい傾向があります。
5. 発作の頻度
Pt:片頭痛って、どれくらいの頻度で起こるものなんですか?
頭医:人それぞれですが、月に1〜2回という方が多いですね。月に15回以上起こると「慢性片頭痛」と呼ばれて、治療方針も変わってきます。
6. 頭痛以外の症状
Pt:頭の痛み以外にも何かあるんですか?
頭医:あります。約90%の方が吐き気を感じて、半分くらいの方は実際に吐くんです。それに、光や音に敏感になる(光過敏・音過敏)こともよくありますよ。
7. 引き金となる原因(誘発因子)
Pt:なにか片頭痛を引き起こす原因ってあるんでしょうか?
頭医:はい。これを「誘発因子」と言います。チョコやチーズなどの食べ物、寝不足、寝すぎ、天気の変化、生理、ストレスなどが関係していることがあります。
Pt:ほんとうにいろんなことが関係してるんですね。対処が大変そう…。
頭医:そうですね。だからこそ、自分の片頭痛のパターンや誘発因子を知ることがとても大事なんです。それによって、予防や治療をうまくコントロールすることができますよ。一人でも多くの患者さんを見るために、初診時には問診票に書いてもらいますね。ご協力お願いします。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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