(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
◆片頭痛の誘発因子とその特徴
Pt:片頭痛って、何が原因で起こるんですか?
頭医:実は、片頭痛のきっかけになる “誘発因子” はいくつかの種類があるんですよ。たとえば、ストレスや睡眠不足などの精神的な要因、月経周期や天気の変化、温度差、におい、光、運動、食べ物、アルコールなどが知られています。それに、片頭痛のある人の約76%が、何かしらの誘発因子を持っているともいわれているんです。
◆よくある片頭痛の誘発因子
Pt:そんなにあるんですね。具体的にはどんなものが多いんですか?
頭医:調査によると、一番多いのは、ストレス(約80%)です。それ以外には、女性ホルモンの変化、絶食、天気の変化、睡眠の乱れ、強いにおい、首の痛み、まぶしい光、アルコール、たばこの煙、夜更かし、暑さ、特定の食べ物、激しい運動なども誘因としてよく挙げられています。
◆甲状腺機能との関係
Pt:甲状腺の病気と片頭痛って関係あるんですか?
頭医:はい、あります。甲状腺機能低下症の方では片頭痛の発生率が高いことがわかっています。さらに、片頭痛の頻度が増えたり、持続時間が長くなったりすることもありますよ。逆に、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)で片頭痛が悪化するケースもあるので、注意が必要です。
◆光や天気の影響
Pt:お天気とか光でも頭痛になることあるんですか?
頭医:ありますよ。明るい光や強い日差しが片頭痛の引き金になる人は多いですし、光に敏感な方が多いんです。また、台風や低気圧、湿度の変化といった天気の変化も片頭痛を引き起こす原因になることが知られています。季節によって発作の頻度が変わる人もいるんですよ。
◆誘発因子への対処法
Pt:そういうきっかけを避ければ片頭痛を防げますか?
頭医:それが大事なポイントですね。まず、自分の片頭痛の “引き金” を知ることが第一歩です。そのためにおすすめなのが、“頭痛ダイアリー” をつけることです。どんな日に、何をしたあとに頭痛が起きたかを記録することで、自分の誘因が見えてきます。ただし、すべての誘因を避けるのは現実的に難しいですし、避けようとしすぎることでかえってストレスになることもあります。だからこそ、“避けること” に加えて、“うまく付き合うこと” も大切なんです。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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