B-i-31. 片頭痛の発作期にはどう治療する?

片頭痛

(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)

◆片頭痛の薬物療法:急性期と予防の2つの柱

Pt:片頭痛の薬って、どういう種類があるんですか?

頭医:片頭痛の治療は大きく分けて、“急性期治療”と“予防療法”の2つがあります。まずは急性期治療、つまり発作が起きたときに痛みを抑えるための薬です。

◆急性期治療薬の種類と使い方

Pt:具体的にはどんな薬が使われるんですか?

頭医:ガイドラインでは、以下の薬が推奨されています:

  • アセトアミノフェン
  • NSAIDs(ナプロキセン、アスピリンなど)
  • エルゴタミン製剤(クリアミンなど)
  • トリプタン系薬剤
  • 制吐薬(ドンペリドンなど)

症状の重症度によって薬を使い分ける “層別治療” という考え方が基本です。

軽度~中等度の片頭痛

Pt:軽いときはどんな薬を使うんですか?

頭医NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が第一選択です。発作の早い段階で飲むとより効果的ですよ。アセトアミノフェンも使われますが、NSAIDsの方が効果は高いとされています。

◆中等度~重度の片頭痛

Pt:痛みが強いときは?

頭医:その場合はトリプタンが推奨されます。頭痛の再発を防ぐ効果もある、非常に効果的な薬です。
また、どの段階でも制吐薬を併用すると効果が高まると言われています。

◆エルゴタミン製剤の使い方と注意点

Pt:トリプタン以外に“エルゴタミン”って聞いたことあります。

頭医:エルゴタミン製剤(例:クリアミン)は、以下の患者に向いています:

  • 長く続く発作(48時間以上)
  • トリプタンで再発が少ない人
  • 専門的な治療が必要な人

でも、薬物乱用頭痛のリスクがあるので、使用は週1回または月6回以内が望ましいです。

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頭痛の駆け込み寺

頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする

●目的:

頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。

それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。

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※頭痛専門医とは?

日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。

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●島田医師プロフィール

《経歴》

平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員


《学会・専門医》

日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医

▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺

頭痛の駆け込み寺
YouTube企画 頭痛専門医 島田医師による 「頭痛の駆け込み寺」 ●内容: 頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする ●目的: 頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長...

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