(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:片頭痛って昔からあったんですか?
頭医:はい。今から3500年前の古代エジプトにはすでに記録がありますし、紀元前400年にはヒポクラテスが片頭痛の症状を記録しているんですよ。
Pt:そんな昔から!? どんな治療をしてたんですか?
頭医:びっくりしますよ。ワニの形の陶器を頭にのせて祈ったり、頭に穴を開けたりしてたんです。
Pt:えぇ…怖いですね。
頭医:その後は「体の中の液体のバランスが悪い」と考えられて、アヘンに酢を混ぜた薬が使われたりしていました。
Pt:アヘンって、今の薬の元ですよね?
頭医:そうです。モルヒネやコカインの材料です。昔の名残で、今でも欧米ではモルヒネが使われることもあります。
Pt:今のような治療が始まったのはいつですか?
頭医:1900年ごろからです。アメリカのウォルフ先生が片頭痛の原因は血管にあると考えて、アスピリンやエルゴタミンが使われ始めました。
Pt:最近はもっといい薬がありますか?
頭医:はい。2000年ごろに「トリプタン」という薬が出て、2021年には「CGRP」という新しい注射薬が出てきました。今は片頭痛治療の新時代です。
Pt:昔は不思議な病気だったのが、今はちゃんと治療できるんですね。
頭医:そうなんです。長い歴史の中で、やっと片頭痛は「治せる病気」になってきたんですよ。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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