A-6. 救命救急室(ER)で頭痛はどう診断するの?

頭痛一般

(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)

Pt:頭が痛くて救急に行ったときって、どんなことに気をつけて診断されるの?

頭医:まず、頭痛が「一次性頭痛」か「二次性頭痛」かを区別するのが大事だよ。
「一次性頭痛」は片頭痛とか緊張型頭痛のようなもので、命に関わることは少ないんだ。
でも、「二次性頭痛」にはくも膜下出血みたいな、命に関わるものもある
から見逃せないんだ。

PT:なるほど、二次性頭痛のほうが危険なんだね。どうやってその区別をするの?

頭医:まず、問診と診察が大切だね。どんな風に痛みが始まったかとか、これまでに同じような痛みがあったかを詳しく聞くんだ。さらに、CTやMRIみたいな画像検査で脳をチェックするんだよ。

Pt:画像検査で異常が見つからなかったら、安心していいの?

頭医:必ずしもそうじゃないんだ。例えば、くも膜下出血が疑われる場合は、腰椎穿刺(背骨から髄液を採取)をして検査することもあるよ。画像には映らなくても、髄液を調べると異常がわかることがあるんだ。

Pt:いろいろ検査をするんだね。他にも危険な頭痛の見分け方はあるの?

頭医:あるよ!例えば、

  • 「突然の激しい痛み」
  • 「今までに経験したことがない頭痛」
  • 「発症年齢が5歳以下や50歳以上」

こういう症状があると、二次性頭痛の可能性が高くなるんだよ。

Pt:それは怖いね…。でも、一次性頭痛もよく起こるんじゃない?

頭医:そうだね。例えば、あるアメリカの病院では、救急外来を訪れる頭痛の95%が片頭痛だったんだって。でも、実際に片頭痛と診断されたのは32%だけで、片頭痛の治療を受けたのはわずか7%しかいなかったそうだよ。

Pt:つまり、片頭痛の診断や治療がうまくいっていないこともあるってこと?

B先生:そうなんだ。救急の担当医は二次性頭痛を見逃さないことが最優先だけど、一次性頭痛もしっかり診断・治療することが求められているんだよ。

Pt:なるほどね。救急での頭痛診察ってすごく繊細なんだね。

頭医:その通り!頭痛はよくある症状だけど、命にかかわるケースもあるから、きちんと見分けることが大事なんだ。

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頭痛の駆け込み寺

頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする

●目的:

頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。

それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。

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※頭痛専門医とは?

日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。

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●島田医師プロフィール

《経歴》

平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員


《学会・専門医》

日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医


▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺

頭痛の駆け込み寺
YouTube企画 頭痛専門医 島田医師による 「頭痛の駆け込み寺」 ●内容: 頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする ●目的: 頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長...

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