(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:最近頭痛がつらくて…。病院に行った方がいいのかな?
頭医:その気づき、とても大切ですよ。実は、頭痛があってもこれまで一度も受診したことがない人が42.6%もいるんです。そして、受診したことがある人の中でも、最も多いのは内科やかかりつけ医で34.4%なんですよ。
Pt:へえ、やっぱり最初はかかりつけ医に相談するんだね。
頭医:はい、プライマリケア医は、頭痛診療の第一歩です。まず、一次性頭痛(片頭痛・緊張型頭痛など)か、二次性頭痛(命にかかわる病気が原因の頭痛)かを見分けることが重要です。もし二次性が疑われたら、すぐに専門医に紹介します。
Pt:じゃあ、プライマリケア医だけで完結することもあるの?
頭医:もちろんあります。特に一次性頭痛なら、スクリーニング検査や頭痛ダイアリーを使いながら診断して、患者さんごとの治療計画を立てることができます。それでも難しいケースは、脳神経外科や頭痛専門医に紹介して治療を受け、落ち着いたらまたプライマリケア医に逆紹介されてフォローする流れです。
Pt:専門の先生に診てもらったほうが安心できそうだけど…。
頭医:実は、頭痛専門医に受診したことがある人は全体のたった7.9%しかいないんです。
つまり、ほとんどの人がプライマリケア医や脳神経外科(19.9%)、脳神経内科(7.1%)で診てもらっているんですね。
Pt:市販薬だけで乗り切ろうとするのも、よくないのかな?
頭医:はい、注意が必要です。急性期薬の使いすぎで、かえって頭痛が慢性化する『薬物乱用頭痛(MOH)』になるリスクがあります。だから、医師による定期的なフォローアップがとても大事なんですよ。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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