(Pt：患者 / 頭医：頭痛専門医)
Pt：片頭痛とか緊張型頭痛って、ただの痛みの問題なんですか？
頭医：実は違うんです。片頭痛や緊張型頭痛は、不安やうつ病などの精神的な問題を伴いやすいんですよ。
Pt：えっ、頭痛と心の問題って関係あるんですか？
頭医：はい、精神状態や精神疾患が一緒にあると、頭痛が慢性化しやすくなったり、日常生活への影響が大きくなったりするんです。
Pt：具体的にはどんな病気が一緒に起こりやすいんですか？
頭医：たとえば、以下が挙げられます。
- うつ病（抑うつ性障害）
- 双極性障害
- 薬物依存症
- 不安症（パニック症、全般性不安症、恐怖症）
Pt：なんでそんなにつながりがあるんですか？
頭医：片頭痛とうつ病やパニック症は、脳内の”セロトニン”という物質の代謝異常が関係していると考えられています。
Pt：データとかあるんですか？
頭医：はい。片頭痛のある人では、大うつ病の年間有病率は約8.6%、生涯有病率は18〜40%と報告されています。片頭痛のない人に比べると、うつ病のリスクは2〜4倍高いといわれています。
Pt：不安症については？
頭医：パニック症も、片頭痛のある人では約3.8倍起こりやすいです。とくに前兆のある片頭痛の人で多いですね。ただし、強迫症や物質依存との関連ははっきりしていないんですよ。
Pt：じゃあ、緊張型頭痛はどうですか？
頭医：緊張型頭痛も、研究は少ないですが、心理的ストレスや不安、うつと関係が深いことがわかっています。うつ病、不安症（パニック症、全般性不安症）、強迫症、身体症状症が共存しているケースもあります。
Pt：心の問題があると、頭痛がひどくなりやすいんですね。
頭医：そのとおりです。一次性頭痛に精神疾患が共存すると、慢性化しやすくなり、生活の質が低下し、さらに自殺リスクも高まることがわかっています。
Pt：怖いですね…。
頭医：はい。でも、心の問題にも気づいて治療すれば、頭痛の治療もうまくいきやすくなるので、怖がらずに早めに相談することが大事です。
Pt：片頭痛があると、うつや不安に気をつけたほうがいいんですね。
頭医：はい。心と体、両方の健康を一緒に考えることがとても大切なんですよ。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的：
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは？
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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