(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:天気が悪くなると頭痛がひどくなるってよく聞きますけど、本当に関係あるんですか?
頭医:はい、臨床的にも、高温や低気圧になると頭痛が起こりやすくなると言われています。ただ、どうしてそうなるのかは、まだはっきりわかっていません。
Pt:えー、理由はわかってないんですね。何か研究はされているんですか?
頭医:実は、関節リウマチや坐骨神経損傷などの慢性痛モデルのラットを使った研究が行われています。人工的に気圧を下げたり温度を下げたりすると、ラットの痛みの行動がひどくなることがわかっています。
Pt:ラットでも痛みがひどくなるんですね!
頭医:さらに、内耳を壊したラットでは痛みの悪化が起きにくかったんです。これから、気圧の変化を感じ取るのに内耳(耳の奥の器官)が関係している可能性が示されています。
Pt:耳も関係してるんですね!知らなかった…。
頭医:また、勝木先生の研究では、低気圧、気圧の変化、高湿度、および降雨が、頭痛発生数の増加と有意に関連していました。特に、頭痛発生6時間前の気圧低下や、頭痛発生日や翌日の気圧も影響するという報告もあります。
Pt:つまり、気圧の変化を体が先に感じ取って、頭痛になっちゃうってことなんですね。
頭医:そうです!天気が変わる前に体がセンサーのように反応してしまうんですね。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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