(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
Pt:頭痛ってたくさん種類があるって聞いたんですけど、怖い病気が原因のこともあるんですか?
頭医:その通り。頭痛の中には、“二次性頭痛”といって、他の病気が原因で起こるものもあるんだ。
たとえば、脳出血や脳腫瘍、感染症などが原因で頭痛が出ることがあるから、まずは危険な頭痛じゃないかをしっかり見極めることがとても大切なんだよ。
Pt:そうなんですね…。片頭痛かな?って思っても、実は違う病気かもしれないってことですか?
頭医:そう。たとえ片頭痛っぽく見えても、
- 初めての頭痛
- いつもと違う経過や性質
- 高齢者に初めて起こる頭痛
こんなときは、二次性頭痛の可能性もあるから慎重な対応が必要なんだ。
Pt:じゃあ、そういう場合はどうやって調べるんですか?
頭医:まずは、神経の診察や血液検査、そして頭部CTやMRIなどの画像検査を行って、危険な頭痛かどうかを見極めるんだよ。たとえば、次のような病気が原因になっていることがあるんだ。
◆鑑別が必要な二次性頭痛の原因(代表的なもの)
● 血管の異常による頭痛
- 脳梗塞・脳出血・くも膜下出血
- 一過性脳虚血発作(TIA)
- 脳動静脈奇形(AVM)
- 頸動脈解離
- MELAS(ミトコンドリア病の一種)
● 脳の病気による頭痛
- 脳腫瘍
- 脳脊髄液の異常(リンパ球増加など)
● 感染症による頭痛
- 髄膜炎・脳炎
● 薬や物質による頭痛
- 薬物の使いすぎ(薬物乱用頭痛)
- お酒・グルタミン酸ナトリウム(MSG)・一酸化窒素供与体などの摂取後
● 体のバランスが崩れたときの頭痛
- 酸素不足・二酸化炭素が多い状態(高炭酸ガス血症)
- 高血圧による頭痛
● 目の病気による頭痛
- 急性緑内障発作
● 頭や首のケガの後に起こる頭痛
- 外傷後の慢性的な頭痛
- 慢性硬膜下血腫
Pt:こんなにたくさんあるんですね…。何が原因かなんて、自分じゃわからないです。
頭医:だからこそ、“これはただの頭痛だから大丈夫”と自己判断せずに、しっかり診てもらうことが大切なんだよ。とくに、急に強い痛みが出たときや、いつもと違う頭痛が出たときは、早めに受診して検査を受けてね。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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