(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
◆片頭痛治療の基本:まず“正しい知識”から
Pt:片頭痛って、どうやって治療していくんですか?
頭医:まずは患者さん自身が片頭痛について正しく理解することが大事です。そのうえで、自分の頭痛が本当に片頭痛なのか、他のタイプの頭痛とどう違うのかを知ることが治療の第一歩になります。
◆頭痛ダイアリーのすすめ
Pt:自分の頭痛って、どうやって記録すればいいんですか?
頭医:“頭痛ダイアリー”っていう記録帳をつけるのがおすすめです。発作が起きた時間、痛みの強さ、使った薬、効果、副作用、何をしていたか、何を食べたかなどを記録するんです。これがあると、医師と一緒に効果的な治療法を考えやすくなりますし、薬の効き目も把握しやすいですよ。
◆トリプタンの正しい使い方
Pt:トリプタンって薬、よく効くって聞いたんですが…
頭医:確かにトリプタンは片頭痛の発作時にとても有効な薬です。でも、使うタイミング、量、頻度をきちんと守ることが大事です。間違った使い方をすると、“薬物乱用頭痛”という別の頭痛を引き起こすこともあるので、使い方はしっかり指導しますね。
◆予防薬の役割と説明
Pt:発作がないときにも薬を飲むって聞いたんですが、必要なんですか?
頭医:それが予防薬です。発作がないときでも毎日服用して、発作を減らすことが目的です。効果が出るまで数週間~数ヶ月かかることもあるので、途中でやめないように説明することが大切なんですよ。
◆発作時の対処法も大切
Pt:頭が痛くなったとき、薬以外でできることってありますか?
頭医:もちろんありますよ。たとえば、
- 静かな暗い部屋で休む
- 痛むところを冷やす
などが効果的です。こういうセルフケアも含めて、事前に準備しておくと安心です。
◆トリガー(誘因)の把握と生活改善
Pt:片頭痛って、何かがきっかけで起きることもありますよね?
頭医:そうですね。それを “トリガー” と言います。たとえば、寝すぎ、寝不足、空腹、特定の食べ物、ストレス、明るい光、天候の変化などです。これも頭痛ダイアリーに記録してもらうと、自分のトリガーが見えてくるんです。私の方でもトリガーリストをお渡しするので、それを参考に生活習慣を少しずつ整えていきましょう。
◆規則正しい生活の重要性
Pt:生活習慣も影響するんですね…
頭医:はい、規則正しい食事と睡眠はとても大切です。寝すぎたり、寝不足だったり、朝ごはんを抜いたりすると、それが片頭痛の引き金になることがあるんです。リズムを整えることで発作の予防につながりますよ。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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