B-i-33. 慢性片頭痛はどのように治療するか 

片頭痛

(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)

Pt慢性片頭痛の治療って、どんなことをするんですか

頭医:慢性片頭痛の治療は予防療法が中心です。予防薬を使って、片頭痛がひどくならないようにするんです。発作の頻度や重症度を減らして、日常生活を楽にすることが目的ですね。

Pt:予防薬ってどんなものがありますか?

頭医:代表的なものはトピラマート、アミトリプチリン、バルプロ酸なんだけど、それぞれに効果や副作用があるから、医師と相談して使うことが多いですよ。さらに最近では、抗CGRP抗体も使われるようになってきています。これは、片頭痛の頻度が多くて、他の治療が効かない場合に使用することが推奨されているです。

Pt:それじゃあ、急に痛くなった時はどうするんですか?

頭医急性期の治療薬も使えるけど、使用を週に2日以下に制限するようにって言われています。これはMOH(薬物乱用頭痛)に移行しないようにするためなんです。

Pt:なるほど。他にはどんな治療法がありますか?

頭医:最近注目されているのは後頭神経ブロックニューロモデュレーションです。後頭神経ブロックは後頭部にある神経をブロックする治療法で、頭痛日数を減らす効果が報告されています。ニューロモデュレーションは電気刺激や磁気刺激を使った治療で、片頭痛治療に応用が進んでいます。

Pt:薬だけじゃなくて、非薬物療法もあるんですね。

頭医:はい。認知行動療法や理学療法なども一緒に行うことで治療効果が上がると考えられています。あと、頭痛ダイアリーをつけるのも役立ちますよ。頭痛の原因を見つけやすくなるし、治療に役立つ情報が集まるんです。

Pt:それなら自分でも対策ができそうですね。頭痛の頻度が少しでも減ると嬉しいです。

頭医:うん、治療薬に加えて、共存症の治療や生活習慣の見直しも重要なんです。少しずつ治療を進めていけば、日常生活が楽になっていくはずです。

————————————–

頭痛の駆け込み寺

頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする

●目的:

頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。

それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。

**

※頭痛専門医とは?

日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。

**

●島田医師プロフィール

《経歴》

平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員


《学会・専門医》

日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医

▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺

頭痛の駆け込み寺
YouTube企画 頭痛専門医 島田医師による 「頭痛の駆け込み寺」 ●内容: 頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする ●目的: 頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長...

コメント

タイトルとURLをコピーしました