(Pt:患者 / 頭医:頭痛専門医)
◆昔の日本の偉人にも片頭痛?
Pt:昔の日本人でも、片頭痛みたいな症状に悩んだ人っているんですか?
頭医:はい、記録や日記などから、“現代でいう片頭痛” を経験していた可能性がある歴史上の人物が何人か知られています。
Pt:たとえば『源氏物語』の作者、紫式部は、日記に “頭が痛くて、灯りもつらい” と書いています。これは、光過敏を伴う片頭痛の典型的な症状に近いですね。
頭医:そんな昔から片頭痛に悩んでいた人がいたなんて、驚きです。
Pt:後白河法皇も、“頭を締めつけられるような痛み” に長年苦しんでいた記録があります。当時は “祟り” と考えられていたようですが、片頭痛や緊張型頭痛だった可能性があります。
頭医:浮世絵師の葛飾北斎も、創作活動の中で目の痛みや頭痛に悩まされていたという逸話があります。特に、“チカチカした模様が見える” という記述があり、これは視覚前兆を伴う片頭痛の可能性がありますね。
Pt:正岡子規は病弱で有名ですが、日記に “激しい頭痛” についての記述が何度も出てきます。当時は “脳の熱”と呼ばれていたようですが、今でいうと片頭痛の可能性が高いです。
◆ 補足:昔はどう診断していたの?
Pt:当時の人たちは、片頭痛って病気としてちゃんと認識されていたんですか?
頭医:いいえ。昔は “頭の病=精神の乱れ” や “霊的なもの” とされていたので、科学的な診断はありませんでした。でも、当時の症状の記録をもとに、現代の診断基準で “片頭痛だった可能性がある” と考えられているんです。
Pt:片頭痛って、芸能人とか有名人にもあるんですか?
頭医:もちろんです。日本の著名人の中にも、片頭痛に悩まされていることを公表している方はたくさんいますよ。たとえば、浜崎あゆみさんは、片頭痛による体調不良で公演を延期したことがあると報道されています。また、安室奈美恵さんも、インタビューで“光や音に敏感になる”という片頭痛の症状について話していました。
Pt:へぇ、有名な人でもそんなに苦しんでたんですね。
頭医:YOUさんや檀れいさん、中川翔子さんもテレビで片頭痛持ちであることを話していましたよ。
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頭痛の駆け込み寺
頭痛専門医 島田医師がわかりやすく頭痛について解説をする
●目的:
頭痛患者は多く、どの診療科でもよくみられる愁訴に関わらず、頭痛専門医(※)は少ないのが現状である。頭痛専門外来では、1日診られて100名程度、しかも患者1人に付き長くても5分程度しか割けない。そこで伝えきれない内容を補える専門医による情報発信の場をつくる。
それにより、わざわざ外来に訪れなくても解決できる内容や、ネット検索して誤った情報を得てしまう方に対して、安心して専門医の話を聞ける場所ともなる。
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※頭痛専門医とは?
日本頭痛学会が定めた申請資格(医師免許証・頭痛関連学会の専門医・5年以上の研修・頭痛関連疾患に関する発表など)を有し、資格審査および試験により認定された医師。
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●島田医師プロフィール
《経歴》
平成21年杏林大学 医学部卒業
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科入局
都立神経病院
杏林大学医学部付属病院
都立多摩総合医療センター
水戸ブレインハートセンター
東京大学医学部 特別研究員
《学会・専門医》
日本脳神経外科学会 専門医、指導医
日本脳卒中学会 専門医、指導医
日本神経内視鏡学会 専門医
日本頭痛学会 専門医
日本医師会認定産業医
▶YouTube : https://www.youtube.com/@頭痛の駆け込み寺
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